2024年05月19日

DAVID SANBORN さんが亡くなりました

アルトサックス奏者のDAVID SANBORN さんが亡くなりました
https://news.yahoo.co.jp/articles/b9b7e377c4d435821cc1de3a104c9599e34b3f01

享年78歳
5/12に前立腺がんの合併症にて亡くなったと発表されました

ご存知の方も多いと思いますが、1970年代以降のジャズフュージョン界を支えた大人物です
自分も学生時代から大好きなミュージシャンでして
サンボーンの楽曲は比較的多くカバーして演奏させて頂きました
どれも大好きな楽曲ですが…

ちょっとしばらくは追悼という事で「本日の1曲シリーズ」をサンボーン絡みの楽曲としてみたいと思います

まずは大好きなコレ
この曲も色んなライブバージョンがありますけど…
東京ジャズのこれ
ジョージデュ―ク マーカスミラー サンボーンのスペシャルバンド
多分ギターのパートをジョージデュ―クがショルダーキーボードで弾いてる感じのアレンジ…
2011年の演奏なので比較的晩年?というか
でもこの曲ってマーカスの作曲なんですよね…
僕は大好きな楽曲なので
https://www.youtube.com/watch?v=YaYUkU4N3iI

そして…
明日からは今月のフジタガンカニュースの配布を開始します
ドライアイ関連の続きですね
ホームページにも遅れて掲載予定です
https://www.fujita-ganka.com/news.html

そして夏季休診
2024夏休みIPEG.jpg

ご迷惑をお掛け致しますがご理解の程お願い申し上げます
posted by 院長 at 17:30| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年05月09日

メガネのトリセツというTV番組について

先日NHKで「メガネのトリセツ」というTV番組が放映されました。
「メガネ」のトリセツ - あしたが変わるトリセツショー - NHK
メガネ度数調整の要点の話、メガネレンズのケアの仕方の話など…「目から鱗でしょ?」といった内容のプログラムだった様です(自分はちゃんとは観ていなくて、再放送で番組の3分の1程度を視聴しただけなのです…基本知り合いからの伝聞としてのコメントです…)。

番組内容の要点を説明すると…
@ 「良く見えるメガネ」が正しいメガネとは限らない
A 「楽に見えるメガネ」が正しいメガネ
B 「楽に見えるメガネ」を作成するには「調節機能解析装置」による検査を受ける必要がある

という感じ。なるほど…まあ正しいと言えば正しいとは思うんですけど…Bについてはちょっと疑問ですね。この装置って番組を監修している梶田先生の発明した?器械なんですが…一般的な装置ではありません。この検査をやるのが悪い事?という事は全くないんですが…この装置がなくても眼科専門の医師であればある程度の判断は出来るかな?と思うんですよね。あと、この装置を扱っている先生に聞くと…番組を観た患者さんとしては「調節機能解析装置を使用すると、自分にピッタリと合った正しいメガネの度数が計算される」という風に思われるそうなんです。この解析装置ですが…患者さんが見ている距離に応じて目のピントを合わせる筋肉が緊張する?というか負担の大きい異常な動きをしているか?を判定する装置なので…メガネの度数はそれの結果を参考に眼科医が割り出すというだけなんですね。つまり負担が掛かっている距離に対して「楽に見えるメガネ」の度数を算出する…という感じです。おそらく番組中でも「絶対に必要」とは言っていないんですが、なんとなくテレビを見ていると「この検査が必須」という気分になってしまうみたいですね、実際にはそういう訳ではないのですが…。

ちなみにコレは完全に蛇足ですが…番組中で紹介していたニデック社の<ARK-1α+AA-2>という装置…現在は発売されておらず…勿論以前に購入されて所有している眼科はありますので、そちらを受診されれば良いのですが…そんなに重要な検査であれば機械が発売中止にはならないのでは?という気も。発売時にあまり人気がない商品だったのかなあ…と(藤田眼科にはありません、念の為)。ニデック社によると後継機種的な機器は発売されている様ですが微妙にTV番組の意図は組んでいない装置の様です(もしも後継機種が十分な機能であれば梶田先生も現行で発売されている機械を紹介するはずで…やはり後継機種では機能が不十分と予想されます。藤田個人は実際には扱っていませんので想像の域を出ない解説ではありますが…)さて、順番が前後しましたが… 

次に@とAについての説明を。@とAについては基本正解です。ここからは基本近視(軽い乱視も含む)の方に限った説明と考えて頂きたく、それ以外の方は例外となる場合もあるのですけれど…以前のフジタガンカニュースでも解説をした事があるのですが…日本人に多い近視傾向の場合は

「少しもボヤけずに<くっきり>とよく見える眼鏡」というのは
「(少し)強めの度数にした眼鏡」となる事が多いのです。

この文章を読んでもピンと来ませんよね?皆さん。

理由の説明は難しいんですが…眼球内のカメラフィルムにあたる網膜に焦点を結ぶ場合に、眼鏡のレンズを使って少しだけ網膜よりも後ろ側に焦点を持って来て…目のピントを合わせる筋肉(その筋肉の事を毛様体筋と呼びます)を収縮させて自分で調整する事で焦点を網膜上にピッタリと合わせると画像がくっきりするんですね。でもその焦点合わせをやってしまうと、毛様体筋が常に収縮=緊張した状態となってしまい目が疲れやすくなってしまうんですね。こういう毛様体筋の緊張が強い状態の事をメガネレンズの度数が強すぎるという意味で「過矯正」と表現します。

※過矯正が悪い!という事については藤田眼科ホームページの「フジタガンカニュース」のコーナーにて以前に解説をしています。Vol.45が丁度その説明なのですが、前後関係の理解も必要になるかと思います。ご興味のある方はvol.38からのお子さんの近視を解説した記述に目を通して頂けると良いかと思います。

つまり「楽なメガネ」というのはこの過矯正状態を防いだ見え方のメガネという事になる訳です。つまり眼鏡レンズを使用しても筋肉がリラックスした状態でモノが見える状態…という事になります。実際、凄く強く過矯正の眼鏡からリラックス状態の眼鏡に変更すると「緊張感が取れて目が楽になった感じがする」んですが、ちょっと感覚の話になるので…患者さんとしては抽象的な印象になってしまうんですね。しかも「楽な眼鏡は過矯正よりもよく見える」と思いガチですが…

@ 実際に良く見えるのは「過矯正の眼鏡」
A 毛様体筋がリラックスした「楽な眼鏡」は(遠くが)ぼやけて見える
※遠い距離がぼやけて見えて、近い距離はよく見えるという意味

あれ?変ですよね…過矯正は悪い状態で、楽な眼鏡は良い状態なのだから…楽な眼鏡の方が良く見えるのが当然…と皆さん思われますよね?実は違うんですよね。楽な眼鏡はあまりよく見えないんです…これがベースラインとなります。

「よく見えない」をもう少し説明すると…近視の方は元々「近くが見えて、遠くが見えない」状態です。これに対して遠くを見える様に眼鏡を使用する訳ですね。遠くが見える眼鏡を掛けて…近くを見るときには筋肉が緊張してモノが見えている…中間位の距離もそうなんですよね。ピントが合っているのはあくまでも遠い距離であり、中間や近くは「無理をして見えている」訳です。だって近い距離はメガネが無くても見える訳なので本来は遠くを見るときだけメガネをかけて近くを見るときはメガネを外すべきなんですよね…面倒なんですが。正しいという意味ではこれが正しい姿、正しいメガネの使用法という事になります。という訳で…遠くが凄くよく見える強めのレンズを入れていると中間距離を見るときは筋肉がかなり緊張して…近くを見るときはさらに強く筋肉が緊張する…楽な眼鏡は筋肉の緊張を防ぐ(軽減する?)眼鏡なので…遠くは見えないけれど中間距離は見える眼鏡=度数の弱い眼鏡にすれば近くを見るときにも筋肉の緊張が軽くて済む…という事なんですね。つまり近視の方の楽な眼鏡は「遠くをぼやかして見えなくする眼鏡=遠くがぼやけて見える眼鏡」という事なんですね(説明が難しいですがメガネ無しの裸眼よりは遠くが見える…遠くの視力は最低限の改善に抑えるという意味です)。
そしてこの「どのくらいぼやかすか?どのくらい見えなくするか?」もしくは「どのくらい近視の眼鏡度数を落とすか?」というのは機械で判定出来るような要素ではなくて…患者さん達にはそれぞれのライフスタイルがあり、また年齢によってピントを調節する機能の余力にも差があり、もちろん単なる個人差も色々です。つまり、職種だったり大切にしている趣味の内容だったり、生活面での必要な行動だったり…場合によってはTVが見えるかどうかの距離なんかは自宅の間取りが影響しますので…そうした一見メガネとは無関係な情報が大切になってきます。その他にも現在使用している眼鏡がどんなモノか?によって、その眼鏡に長く馴染んでいるか?最近作ったばかりか?また、その現在の眼鏡の調子が自覚的に良いのか?悪いのか?を踏まえた上で、そこからどの程度変化させるのが良いのか?を判定していく事になります。当然、機械の検査一発でこうした情報を全て網羅する事は出来ませんし、これは眼球を検査したり診察しただけでは絶対に判定出来ない事柄な訳です。患者さんの視角的な生活行動の聞き取り調査…これは正しい眼鏡を作成する上での必須作業なのです。我々は日常生活を送っている生身の人間です…機械仕掛けのアンドロイドやロボットの様にデータを測定すればピッタリのパーツを合わせられる…という訳ではないんですよね…実際は。

 総論的な現実の話として…調節機能解析装置を用いてメリットがあるのは老眼が完成していない40歳以下の方で目の疲れを感じる方。そうした方が疲れを生じやすい距離を他覚的に判定できるので、その距離にピントを合わせたメガネを作成する事で楽な見え方になる…という事なんですね、読書用とかスマホ用とか…パソコン距離専用などなど。あとは上に書いた「過矯正のメガネ」を処方されていて慢性の眼精疲労に悩まされている事を検査で判定できる…過矯正のメガネは短時間だと良く見えてしまうし、ピント調節の機能に余力がある10代20代の人はそれが「悪影響なメガネ」だとは気づけないんですよね、見えちゃうので。これは古典的な言い伝えですけど「近眼の度数は強すぎると良くない、弱めに合わせた方が良い」んですね。昨今の「患者サービス重視のメガネ屋さん」は「売上」を重視する為かこの言い伝えを無視して患者さんの要望に応えて「良く見え過ぎるメガネ」を作ってしまうケースが多い…様な印象があります。実はこういうカラクリがあるんですね…。

 ちなみにこれは僕が患者さんによく説明する話ですが、近眼でメガネを使っている人はスマホを見るときや本を読む時にはメガネを外すべきです、眼鏡を外して全く見えないド近眼の方は別として…眼鏡が無くても見えるのであれば外すべきです、本来は。近眼の度数にもよるので絶対にそう!という訳ではないんですけど、遠くを見るメガネを使っているのであれば本来そのメガネは近くにはピントが合っていないという事を理解するべき…とは思います。若年者の眼精疲労についてはこれを実践するだけで症状が楽になるケースも多いかと思います。

 しかしこうしたメガネの調整は一般の眼科医が皆さん考慮している作業であり特殊な装置がないと出来ない作業という訳でもないと思うんですよね、個人的には。

 今回説明している特殊な装置をお持ちの知り合いの眼科の先生に聞いてみると、実際にこのテレビ番組を見て相談に来られるかたは50歳代中盤から60歳代以上の老眼が完成している方が多く…装置を使って判明するのは単に「老眼が完成している」という事実。つまり見え方が悪い→「メガネでの矯正が不十分」と感じていても眼精疲労はあまり強く生じていないケースが多くて…「老眼が生じて見えにくい事は止むを得ないのだが…装置を使ってのメガネ処方を受けると物凄くよく見える眼鏡を処方してもらえる(楽なメガネ=よく見える眼鏡と誤解している)と思い込んでいるパターンがほとんどだそうで…結果、期待に応えるようなメガネにはたどり着けずに肩を落として帰宅する患者さんが多い…」んだそうです。
 ちなみにもう一つ追加すると、楽なメガネ=目的距離にピントを合わせたメガネという意味になるので老眼症状が出ている年代の方なんかについては複数のメガネを使い分けるという対策になる事が多いです。上に書いたTVを見ての相談の患者さん…地元の眼科で複数のメガネを使用しての対策は出来ている方も多いみたいで…日常生活に大きな不満はなく過ごせているのですが

「この検査を受けると1つのメガネで魔法のように見えるメガネがつくれる」

みたいな幻想を抱く(ちょっと誇張も入っていると思います)ケースもあるみたいです。残念ながらそういう話ではないんですよね。

あくまでも藤田個人が収集した情報に基づく説明ですので、異論のある眼科医の先生方もあるかと思います。一つの意見として参考にして頂けたら?と思う次第です。

本日の1曲
皆さんBOOWY好きなんですねー
世代?ですかね
楽しそうです!
https://www.youtube.com/watch?v=hw9O3sGGQZ4
posted by 院長 at 18:56| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする